フェロアロイは日本語では合金鉄と言い、フェロ(ferro)は鉄、アロイ(alloy)は合金を意味しています。ビルや橋、車、飲料缶、さらには石油やガスのパイプラインまで、鉄が使われている場面には必ずフェロアロイが使われています。普段の生活で直接目にすることはほとんどありませんが、合金鉄は豊かな生活を送るには欠かすことの出来ない製品の一つです。
合金鉄は、鉄に炭素以外に他の金属元素の1種、または2種以上を加えた合金の総称であり、鉄に含まれる不純物の除去や鉄の強度・靭性・耐熱性・耐食性等の様々な特性を高めるために全ての鋼に添加される最も大切な素材です。
日本におけるフェロアロイの生産起源は、1900年に釜石製鉄所で溶鉱炉によりフェロマンガンとスピーゲルアイゼン(マンガンと鉄の合金:フェロマンガンよりもマンガン含有率が低い)を吹錬したのが始まりと言われています。1914年に勃発した第一次世界大戦により、ヨーロッパからの輸入が困難となったことにより、日本国内での生産が本格化されました。
製造法は主に電気炉で原料を溶解し、コークスで還元して生産されます。一部の品種については、小型高炉・ロータリーキルン・テルミット炉などで生産されます。
※JISでは合金鉄をフェロマンガン・フェロシリコン・フェロクロムなど、17種類に分類しています